予防接種とは
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予防接種とは、ワクチン(病原体や毒素の力を弱めて作った薬液)を接種することで、病気に対する抵抗力をつけて発病を予防したり、症状を軽くしたりする方法のことです。
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赤ちゃんは、母体から様々な病気に対する免疫力をもらいますが、その免疫力は生後8ヶ月から12ヶ月ごろまでに失われていきます。
そのため、赤ちゃん自身が免疫力を獲得する必要があります。種々の感染症(麻疹、風疹、肺炎球菌、おたふくかぜ、水ぼうそう等)に対する免疫力をつけるのに役立つのが予防接種です。
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予防接種の種類
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大きく分けて定期接種と任意接種があります。法律に基づいて市町村が実施するものが定期接種、一方、希望により受けるものが任意接種と呼ばれます。
定期接種については、それぞれ対象となる病気、ワクチンの種類、受ける年齢、期間などが定められています。母子手帳で確認しましょう。
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定期予防接種 |
任意接種 |
【A類疾病】
- ジフテリア・百日咳・破傷風(3種混合)
- 麻しん(はしか)
- 風しん(三日はしか)
- ポリオ(急性灰白髄炎)
- 日本脳炎
- 結核(BCG)
- 水痘(水ぼうそう)
- 子宮頸がん
- 肺炎球菌(小児)
- インフルエンザ菌b型(ヒブ)
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- おたふくかぜ
- 狂犬病
- A型肝炎
- B型肝炎
- インフルエンザ(B類疾病の対象者を除く)
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【B類疾病】
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【厚生労働省が検討中の感染症】
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A類疾病の対象者は、主として入園・入学前の子どもです。ただし、2種混合は11~13歳未満、日本脳炎の第2期は9~13歳未満、子宮頸がんワクチンは12~16歳です。一方、B類疾病であるインフルエンザおよび肺炎球菌(23価ワクチン)定期接種対象者は、65歳以上、又は、60歳以上65歳未満の方で心臓やじん臓、又は呼吸器に重い障害がある方です。
A類疾病とB類疾病は予防接種法に規定されています。定期接種は対象者に対し国の主導で進めるもので、公費で負担されます(一部自己負担がある場合もあります)。
生ワクチン、不活化ワクチンの違い
ワクチンの種類として、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。特徴、長所と短所は以下の通りです。
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生ワクチン |
不活化ワクチン |
特徴 |
生きているウイルスを継代培養して、病原性を消失させて作製する(弱毒化)。 |
ウイルスを化学処理して感染力や毒性をなくして作製する(不活化)。 |
抗原 |
ウイルス粒子 |
不活化ウイルス粒子 |
免疫の持続性 |
長期 |
短期 |
主なワクチン |
麻しん風しん、おたふくかぜ、水痘 |
インフルエンザ、日本脳炎 |
その他、細菌の毒素を取り出し、免疫原性を残したものをトキソイドと言います。不活化ワクチンの一種です(ジフテリア、破傷風など)。
ワクチンの接種間隔
次回の予防接種までの間隔は、生ワクチン接種後は4週間(中27日)以上、不活化ワクチン接種後は1週間(中6日)以上です。トキソイドも不活化ワクチンと同様の間隔となります。
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次回接種までの間隔 |
主なワクチンの種類 |
生ワクチン |
4週以上 |
BCG、麻しん風しん、おたふくかぜ、水痘 |
不活化ワクチン |
1週以上 |
インフルエンザ、ヒブ、肺炎球菌、子宮頸がん |
同じワクチンを続けて接種する場合は、それぞれ接種する間隔が異なるので、確認が必要です。
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